シールとラベル、何が違う?デザインや選び方のポイントを解説!
シール、ラベル、ステッカー?何が違う?
私たちの生活のなかで身近に存在している「シール」。同時に「ラベル」や「ステッカー」という言葉もよく耳にしたり、使っていると思います。いずれもぺたっと貼るものですが、なぜ呼び方が違うのでしょう?
実は、これらは厳密に言うと、それぞれ異なる特徴と用途を持っているからです。今回は意外と知られていない、シールとラベル、ステッカーの使い分けについてご紹介します。
まずはじめに、特徴と用途について表にまとめてみました。
種類 | 特徴 | 用途例 | 素材 |
---|---|---|---|
シール | 粘着剤が付いた紙やフィルムに、文字や絵柄が印刷されたもの | ギフトやパッケージの装飾用、分類用、宛名や目隠し用シールなど | 粘着あり |
ラベル | 商品に貼る表示で、商品名、原材料、製造者などの情報を記載することが義務付けられているもの | 食品、医薬品、化粧品などの表示ラベル、検査済ラベルなど | 粘着あり/なし |
ステッカー | シールの一種で、主に屋外で使用されることが多く耐水性や耐光性があるもの | 車やノートPCなどの装飾用、屋外広告やノベルティなど | 粘着あり |
シールとラベルの違いとは?
それでは、シールとラベルの違いに詳しく解説していきます。
商品パッケージや商品に貼られるシールやラベルは、どちらも商品の表示や識別を伝える役割を持ち合わせています。
「シール(Seal)」という言葉には印章や封をするという意味があります。つまりもともとは、手紙に封をしたり、容器に蓋をするなど中に入っているものを封して保護する役割を果たすものを指していました。
今では、裏面に粘着剤が付いた紙やフィルムに文字や絵柄が印刷されたものとして広く認識されています。表現の幅が広く、商品を装飾したり、和紙など特殊な紙が素材として使用されることもあります。主に屋内での使用を前提としているため、耐光性や耐久性が必須ではありません。
「ラベル(Label)」の語源はレッテル、貼り紙、荷札の意味があります。商品の内容物を識別する目的で、商品名、原材料、製造者などの情報を記載することが義務付けられているものとして使用されています。
シールとは異なり、食品表示法や薬事法、計量メーターなど、法律で厳格に記載内容やデザイン、文字のポイント数などが指定され、貼り付けが義務付けられている場合もあります。
屋内・屋外で分類されることは少ないですが、屋外で使用する場合は、高い耐候性が求められます。また、冷蔵下での使用が想定される場合は、耐水性の高いユポ紙などが向いているなど、使用環境に応じて適した素材を選定する必要があります。
ステッカーとは?
ステッカーは、シールやラベルとどう違うのでしょうか。
ステッカーは、英語で貼る、くっつく(stickやsticker)が語源となり、ステッカーという呼び名が生まれました。シールと同様に粘着剤が付いた紙やフィルムに文字や絵柄が印刷されたもので、主に広告宣伝や装飾目的で多く利用されています。
シールとは異なり、一般的に屋外で使用されることを想定して作られるため、雨風や紫外線に耐える耐候性を持ち、長期間貼っていても変色や剥がれが起こりにくいよう粘着力が強めの素材を使用するケースが多いです。
素材の種類と特徴
次に、シールやラベル、ステッカーに使われる素材別に特徴とメリット、デメリットを表にまとめてみました。
素材 | 用途例 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
紙 | 商品ラベル、イベントチケット、ノートパソコンなどへの装飾 | 低コストで印刷適性が高く、筆記することが可能 | 耐水性、耐光性が低く、屋外での使用には不向き |
合成紙 | 商品ラベル、イベントのチケット、屋外での案内表示 | 耐水性、耐光性が高く、色褪せしにくい | 紙に比べてやや高価 |
塩ビ(PVC) | 車などへの装飾・広告、耐候性が求められる屋外での表示に使用される | 耐久性、耐光性が高く、摩耗性に強い | 比較的高価 |
PET | 商品パッケージ、化粧品・食品ラベルなど、高級感のある仕上がりが求められる場合に使用 | 透明感があり、デザイン性、耐水性、耐光性に優れる | 比較的高価 |
布 | アパレル製品へのタグや、イベント時のパスなど | 柔らかい素材で曲面にも貼れる、手触りもよい | 耐水性、耐光性が低い |
素材の選び方
上表からも分かる通り、素材によって用途が異なります。素材を選定する際は、下記の4点に気を付けると良いでしょう。
耐候性
屋外で使用する場合は、耐水性、耐光性、耐久性に優れた素材を選ぶことが重要です。
また、どのくらいの期間使用するのかも大事なポイントになります。
デザイン性
光沢、質感、透明度など、デザインに合わせて素材を選ぶことで、よりイメージに近い表現が可能になります。
さらに加飾を加えることで、高級感や特別感を演出し、デザイン性を高めることに繋がります。
環境への配慮
再生紙や植物由来の素材など、環境に配慮した素材を選ぶことは、企業や個人のイメージアップにも繋がります。
環境に配慮したシール・ラベルは、今後さらにニーズが高まってくると予想されます。
コスト
使用環境と目的に応じて素材を選定することが重要です。
コストにも反映されるため、使用用途を踏まえて、押さえておきたいポイントです。
印刷方法について
次に、主な印刷方法についてご紹介します。印刷方法も、素材や用途、ロット等の違いによって使い分けが必要です。
オフセット印刷
大量生産に適しており、繊細なグラデーションや写真画像を美しく再現できるため、高品質な印刷が可能です。
印刷する種類毎に版の作成費用が発生しますが、一度に大量の印刷が可能なため、大ロットの印刷でコストパフォーマンスを発揮します。
デジタル印刷
小ロット生産や、デザインの変更が頻繁な場合に適しています。
版を作る必要がないため、少数のラベルでも高品質で印刷できます。複雑なデザインや1枚ずつ異なるデザインのラベルも作成可能です。バーコードやQRコードなど可変データの印刷ができることも強みです。
凸版印刷
凸版印刷は、印刷したい部分が版の表面に盛り上がっている状態で、インクを付けて紙などに転写する印刷方式です。印鑑を押すイメージが近いかもしれません。
インクが厚くのるため、文字や線がとても鮮やかで力強い印刷に仕上がります。特に、文字中心のデザインに適しています。
オフセット印刷同様、版の作成費用はかかりますが、大量生産や再版が多い案件に適しており、一枚あたりのコストを抑えることができます。
シルクスクリーン印刷
厚みのあるインクで印刷するため、耐水性・耐光性に優れ、屋外での使用や耐久性が求められるラベルに適しています。刷色についても、インクが厚いため、非常に鮮やかな発色が得られます。特に蛍光色や金、銀などの特殊なインクとの相性が良く、目を引くデザイン性の高いラベルを作成できます。
また、凹凸のある特殊な素材にも印刷できるため、様々な形状に対応できます。一方、シルク印刷用の版作成費が高価なことがネックです。
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