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シール・ラベルの種類や使用シーンを分かりやすく解説!

身の回りにあふれるシールですが、実は素材の違いや組み合わせによって色々な種類に分けられます。今回の記事では、シールの種類や使用シーンに着目して解説していきます。

シール・ラベルのしくみ

シール・ラベルは主に表面基材・粘着糊・剥離剤・剥離原紙の四つの層からできています。表面基材に粘着糊が付いており、この表面基材+粘着糊が物に貼り付ける部分になっています。これらは台紙に貼られて出荷されていますが、台紙も剥離原紙に剥離剤が塗られた二層の構造になっています。

ラベル構造.png

次に、シール・ラベルの「表面基材と粘着糊」について、説明していきます。

表面基材の種類

表面基材.png

【紙素材】

紙素材には種類がたくさんあるので、用途によってデザインや機能などを見極めて選択することになります。また、紙素材は価格が割安なので、コストを減らしたい時には注目したい素材です。その代わり、フィルムと比べると耐久性に劣ります。

・上質紙(普通紙)

上質紙は紙の中では最も一般的と言え、身の回りでよく見かけるコピー用紙やメモ帳などが上質紙です。表面がザラザラしているため、筆記性に優れていることが特徴の一つです。安く作成できますが、色調が厳しいカラー印刷には不向きなため、単色の業務用ラベルや値札等の文字情報の印刷に適しています。

上質紙.jpg

・アート紙(光沢紙)

表面加工されたアート紙は、上質紙と比べると表面にツヤがあるのが特徴です。単色での印刷だけでなく、上質紙が苦手なカラー印刷や写真印刷も得意としています。光沢があるため綺麗に見えますが、比較的安い用紙ですので、コスパ◎の上紙と言えます。

アート紙.jpg

・ミラーコート紙(キャストコート紙)

コート紙に鏡面加工が施されたものを、ミラーコート紙、またはキャストコート紙と呼びます。アート紙より光沢があり、色彩鮮やかな表現が可能です。ミラーコートという名の通り、周囲が映り込む鏡のようなツヤがあります。発色をより際立たせたい時や高級感を出したいときに用いられ、ステッカーや商品のラベルなどに用いられることが多いです。

ミラーコート紙.jpg

・マットコート紙

マットコート紙にはツヤ消し加工が施されており、上質紙よりも値段は高めです。光沢が少なくしっとりとした見た目のため、落ち着きや高級感などを表現することに向いています。 マットコート紙は印刷する前はマット調ですが、印刷してしまうとインクが付着している部分はマット感が消えてしまいやすいため、注意が必要です。

マットコート紙.jpg

・和紙

和紙シールは、手触り感や和の雰囲気を表現したいときにピッタリの素材です。和菓子やお酒のラベルなどによく使われています。繊維の凹凸がはっきりと分かるものや、シワが入っているものなど、種類が豊富なことも特徴の一つです。

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・ホイル紙

ホイル紙は、表面のアルミ加工により金・銀といった金属の光沢があることが特徴で、封緘シールなどに用いられることが多いです。注意点として、ホイル紙は一見アルミホイルのようですが、紙なので耐水性はありません。

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【フィルム素材】

フィルム素材最大のメリットは、耐久性の強さです。強度や耐候性、耐水性、耐熱性などに優れており、多くの場面で活躍してくれます。ただし、フィルムは紙素材と比べると値段が高く、コストがかさみがちです。

・合成紙(ユポ)

合成紙(ユポ)は、質感が紙に近いフィルム素材です。プラスチックベースの合成紙であるユポは水に強く、フィルム素材と比較すると値段が安めなので人気があります。破れにくい材質という特徴もあるため、屋内の水回りでの用途や、ステッカー、商品ラベルなどに多く使われています。

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・塩ビ(PVC)

塩ビ(PVC)は、頑丈さと重厚感のある材質が特徴の素材です。 バイクや自動車のステッカーによく使われており、耐久性が必要な用途に適しています。他の上紙と比較すると値段は高いですが、劣化しにくく長持ちするため、長時間貼っておく必要があるステッカーなどであれば塩ビ(PVC)を選ぶことをオススメします。

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・PET

PETとはポリエチレンテレフタレートのことで、ポリエステルの一種です。ペットボトルの材質としても採用され、耐水性に優れています。塩ビ(PVC)と比較すると、耐水性や耐候性、硬さや透明度は同じくらいですが、塩ビ(PVC)よりも少し値段が安く、傷がつきやすいです。

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【その他の素材】

・サテン

サテン素材のシールは、絹のような光沢と繊細な発色性が特徴となっています。ペンで書き込むことができるので、入館証やイベントパスシールなどによく使われています。布製品にシールを貼ると、剥がした後に跡が残りがちですが、サテン素材のシールは糊が残らないように作られているのも特徴です。

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・ホログラム

ホログラムは、光の干渉を利用して、見る角度によって画像を立体的に見せたり、虹色に輝かせたりする特殊な素材です。ホログラムの上紙を利用することで、偽造防止の効果を果たしたり美しさや華やかさを演出したりできます。

ホログラムの詳細は こちら

シール糊の種類

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・普通糊

紙・フィルム素材ともに一般的に使用される糊です。店頭販売されているような食品ラベルなどは、通常この糊の材料を使用しているケースが多いです。シールを貼付ける場所が平面かつ、シールを貼った後は常温環境で使用される場合に向いています。

・冷凍・冷食用糊

シールを貼った後に冷蔵庫や冷凍庫のような低温で保管するような場合は、冷凍・冷食用糊が向いています。用途に応じて、非耐水の紙素材(ミラーコート紙など)、耐水の合成紙(ユポ)などと組み合わせて利用されます。

・強粘着糊

普通糊で剥がれてしまう場合に主に使用する糊です。屋外用、金属用、など様々なものがあります。強粘着糊は用途に応じて水溶系強粘着糊と溶剤系強粘着糊の2種類があります。一般に、水溶系強粘着糊は紙素材用、溶剤系強粘着糊はフィルム系用になります。

・トイシ用紙糊

荒い面や凹凸面などに貼る場合に使用する糊です。粘着剤がやわらかいため、僅かな凹凸面であればしっかりとくっつきます。一般には工業用のステッカーや表示ラベルなど、剥がれにくいステッカーが求められている際に使用することが多いです。

・再剥離糊

シールを貼って一定期間後に糊が残らないで剥がせることを目的に使用する糊です。イベントなどで一定期間貼った後、剥がす用途のシールなどに向いています。同じ再剥離糊でも、付箋のような糊がとても弱いものから、車検のステッカーのように吸着力が強くしっかりと貼れるタイプまで、幅広いバリエーションがあります。

・訂正用糊

糊面が灰色にコーティングされた、下地が透けにくい糊です。訂正シールなどでよく使用されます。

・改ざん防止(セキュリティ用途)のタイプ

開封厳禁ラベルなど、セキュリティシールとして使用されることの多い特殊な糊です。貼って剥がすと文字が現れて、剥がされたことがわかるようになっています。検査後の商品などの封緘用などとして使われています。

シーン別のおすすめシールの種類

屋内での使用

屋内は環境の変化が少ないため、使用可能なシール・ラベルの幅も広いです。基本的に紙素材でもフィルム素材でも使用できます。シール糊の種類にも制限はありません。
ただし、洗面所や風呂場、キッチンなど水気が多い環境では、屋内であっても耐水性のある表面基材・粘着糊を選択した方がいいでしょう。

屋外や水回りでの使用

屋外や水回りに貼るシールを作成する場合は、耐水性や耐候性が重要視されます。使用するや用途や環境に合わせて、表面基材としてはフィルム素材や表面加工を施した紙素材、糊としては冷凍・冷食用糊、強粘着糊、トイシ用紙糊などが考えられるでしょう。

【使用例】
・冷凍庫で保存する食品に貼るシール → 合成紙(ユポ)+冷凍用糊
・屋外で使用する工具に貼り付けるシール → 塩ビ(PVC)+強粘着糊

一度貼った後に綺麗に剥がしたい

貼った後、傷や糊の後を残さずに剥がしたい時には、シール糊の種類で紹介した再剥離糊を使用します。再剥離糊とひとくくりに言っても、粘着力の強さはさまざまです。用途や目的から最適なものを選択する必要があります。

【使用例】
・付箋 → 上質紙+弱粘着性再剥離糊
・家電に貼る使用時に剥がすシール → PET+微粘着性再剥離糊
・自動車等の窓ガラスに貼るシール → 塩ビ(PVC)+強粘着性再剥離糊

特別感を出す

和紙やホイル紙、サテンやホログラムなどの特殊な上紙を使用することで、シール・ラベルに特別感を演出することができます。

【使用例】
・日本酒の瓶に貼るラベル→和紙
・洋菓子の箱の蓋を留めるシール→ホイル紙

YPGではラベル印刷のご相談承ります!

表面基材と粘着糊について代表的な素材や使用例をご説明してきましたが、素材の種類と組み合わせは非常に多く、使用条件により適した組み合わせも変わってきます。YPGではお客様の使用用途や目的に寄り添って、適切なご提案をいたします。 また、YPGは2024年10月よりデジタルラベル印刷機を導入しています。デジタルラベル印刷機のポイントは次の通り。

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