読者の目を惹く!目立つフォントとテクニック
10月27日~11月9日は読書週間となっており、初日の10月27日は、2005年に施行された文字・活字文化振興法に基づき「文字・活字文化の日」と制定されています。
ということで、今回は気持ちや思いを伝えるために必要不可欠なツール「文字」に注目していきます。
デジタル化が進む現代において、商品の宣伝や情報の伝達には、ちらしのような紙媒体だけでなく、ブログやSNS、ネット広告などのデジタル媒体に移行・併用することは当たり前になってきました。
商品の広告やブログのバナー、SNS投稿の写真など、他にも似たような情報があふれる中で、自分のものに注目してほしい!と思う場面が多々あると思います。そんな時に、見てほしい文字がパっと目立ってくれると嬉しいですよね。
この記事では、読んでいる人が思わず目を留めたくなってしまうフォントと、簡単に試せるテクニックをご紹介していきます。
目立つフォントとは?
目立つフォントと一言に言っても、必要な要素は多くあります。実際にどのようなフォントが「目立つ」と言えるのか、その定義は場面によって変わってきます。
今回は、特に
①判読性や視認性が高いこと
②他と比較した時にパッと目を惹くこと
という二点に着目して、目立つフォントとテクニックについて詳しく解説していきます。
表現したい内容の雰囲気をとらえながら、合っているフォントやテクニックを参考にしてみてください。
目立つ・見やすいおすすめフォント
【Windows】メイリオ
メイリオは、その高い可読性から非常に多く利用されています。 丸みのある柔らかい印象が特徴で、特にディスプレイ上での視認性に優れています。また、漢字のバランスも良く、日本語らしい自然な印象を与えます。現代的なデザインで、視覚的なノイズが少なく、カジュアルな印象を与えたいときに向いています。
【Windows】游ゴシック
游ゴシックは、メイリオと同様、Windowsパソコンで標準搭載されているフォントの一つです。可読性に優れており、他のゴシック体フォントと比較しても、文字のバランスが良く、非常に読みやすいフォントです。
豊富なウェイトバリエーションが用意されているため、タイトルに使用すれば、そのあとの本文まで、統一感のあるデザインを実現できます。
【Windows】BIZ UDP ゴシック
BIZ UDP ゴシックは、フォントメーカーであるモリサワが開発したUDフォントで、教育現場やビジネス現場で活用されています。Windowsに標準装備されており、Macでも無料でダウンロードして使用することができるフォントです。現代的なデザインでありながら、どこか温かみを感じることができるフォントになっています。
★UDフォントとは
BIZ UDP ゴシックのフォント名にある「UD」とはユニバーサルデザインのこと。個人の特性の違いにかかわらず、出来るだけ多くの人々が利用できることを目指したユニバーサルデザインの理念に基づいて設計されており、老眼の方や視覚に障害のある方でも読みやすいように、文字の形やバランスが最適化されています。
参照:株式会社モリサワ
最適化の方法はさまざまありますが、線を簡単にしたり、線と線の間が開いている部分や濁点・半濁点を拡大したりなどの処理が行われています。比較してみると、「さ」はよりシンプルなかたちに、「3」は線と線の広がりを拡大することで8と混同しにくい形に変えていることがわかります。
【Mac】ヒラギノ角ゴシック
ヒラギノ角ゴシックは、Macの標準フォントとして採用されていることもあり、Apple製品を利用しているユーザーにとっては、馴染み深いフォントでしょう。
くせのないシンプルなデザインでありながら、文字の輪郭がはっきりとしているため字のバランスが良く、どの文字も均一に視認できるため、可読性が高いことが特徴です。他のゴシック体フォントに比べて、文字が柔らかく目に優しい印象を与えます。 太字や細字など、様々なウェイトが用意されているため、デザインの幅が広がります。
【Mac】ヒラギノ丸ゴシック
ヒラギノ丸ゴシックは、優しい印象を与える表情のあるフォントです。ヒラギノ角ゴシックと比較すると線の端が丸くなり、繋がりも滑らかですが、ヒラギノ角ゴシックと同様に文字のバランスが良く、可読性が高くなっています。
優しさやかわいらしさを表現したいときに最適なフォントと言えるでしょう。
【フリーフォント】Noto Sans CJK JP
フリーフォントであるNoto Sans CJK JP (別名:源ノ角ゴシック)は、モダンで、判読性や視認性が高いゴシック体フォントです。 ヒラギノ角ゴよりも現代的で、メイリオほどはデジタルな印象がなく、素朴で優しい字形をした美しいフォントです。
【フリーフォント】でらすこゴシック
でらすこゴシックは今まで紹介してきたフォントと比べると、より太く、表情のあるフォントです。
強さや明るさ、楽しさをポップに表現することができます。
【フリーフォント】コーポレートロゴ
コーポレートロゴは、企業やサービスで使われているようなモダンでシンプルなロゴ文字をイメージしたフォントです。ロゴ文字をイメージしているということもあり、親しみやすさと目を惹く愛らしさがあります。 文字間隔が狭めで、伝えたいことをコンパクトに表現をしたいときにもおすすめなフォントです。
【フリーフォント】ひぐれゴシック
ひぐれゴシックは角の繋がりが非常に滑らかで、優しい印象を与えることができます。
優しい印象と強調を両立したい時に適したフォントです。
文字を目立たせるテクニック
コントラストをつける
文字を目立たせるテクニックの一つにコントラストの工夫があります。 文字をはっきりと見せるためには背景色とのコントラストを意識することが重要です。色相環で反対色になる色は補色と呼ばれ、白い背景に黒い文字、黒い背景に白い文字というような補色同士の組み合わせだと、はっきりと文字を読み取ることができます。
太くする
文字の太さのことを「ウェイト」と呼び、フォントによっては複数のウェイトが用意されています。太めなフォントは、視認性の高さ、インパクトの強さがあり、文字を目立たせる時に適しています。また、太い線によって文字がはっきりと読みやすくなり、遠くからでも認識しやすいです。 一方、細字のフォントは、上品さや繊細さを表現し、落ち着いた雰囲気を作り出すことができます。
下線を引く
文章の強調したい部分に下線を引くことで、印象を強く残すことができます。教科書の重要な部分にマーカーを引くことと原理は一緒ですね。
画像のように、ただ文字の下に下線を引くだけでなく、点線や波線を選択すると、より注目度を上げられますし、かわいらしさや明るさなどデザイン性を高めることもできます。
袋をつける
画像のように、文字の周りを太い線で囲むことを「袋をつける」といいます。PowerPointなどで文字の装飾の中に装備されていることも多いですし、文字の下に、同じフォントで太さを変えた文字を忍ばせることでも再現できます。
影をつける
文字に影をつけることで、立体感を演出することができます。周りより浮き出て見えるため、強調したい部分につけることで読んでいる人の目を惹きます。 先ほど紹介した袋文字に、さらに太いフォントを忍ばせて影をつけることもできますし、文字装飾の機能を使用し影をうっすらつけることでも効果を得ることができるでしょう。
YPGではUDフォントを推奨しています
当社では、印刷物の紙面を構成する「組版」の作業において、ユニバーサルデザインに配慮した色やデザイン及びUDフォントを使用しています。多くの人の目に触れるパンフレットや封筒、広報誌などを中心に、より多くの方が見やすい・読みやすい印刷物の製作に取り組んでいます。
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