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紙製パッケージとは?環境問題に取り組む企業様が検討すべきメリットや種類をご紹介

SDGsへの取り組みが世界的に重要視される現在。
パッケージの分野でも、海洋プラスチックごみの問題や、石油資源の枯渇問題を背景として、主にプラスチックパッケージの代替として紙製パッケージが注目を集めています

この記事では、紙製パッケージのメリット・デメリットと、紙箱のキホンである代表的な形状10種類をご紹介します。

紙製パッケージとは

そもそも「紙製パッケージ」とは、紙を主原料とした包装容器全般を指します。
具体的には、紙箱、包装紙、紙袋、紙コップなど。皆さんの日常生活でも、何気なく使う機会の多いアイテムだと思います。

「パッケージ」は、紙以外にもプラスチック容器、フィルム、ガラス瓶、金属の缶などさまざまな素材でできていますが、その中でも紙でできたものが「紙製パッケージ」です。

近年、プラスチック製パッケージによる環境問題が深刻化していることを背景に、紙製パッケージへの注目が高まっています。
今までは紙のパッケージは、強度や耐水性などの面から採用が難しいケースも多くありましたが、技術開発や素材開発によってそれらの課題が克服されつつあり、環境負荷の低いサステナブルな包装として期待されています

紙製パッケージの種類

紙製パッケージの中にも下記のように、さまざまな種類があります。

●段ボール
強度が高く、重たい物を入れるのに適しています。主に輸送用の外装パッケージとして使用されます。
→ダンボールについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

●紙箱
軽量で、用途に応じたさまざまな形状に加工できます。印刷加工も幅広く対応できるため、業務用から高級感のあるデザインまで、マルチに使用可能です。

●紙袋
環境に配慮した素材としての紙袋は、プラスチック袋に代えて多くの企業や小売業者が採用しています。デザイン性にも優れており、ブランドや店舗のイメージを高めるツールとしても活用されています。

●紙カップ
主に飲料を入れたり、スープ、ホットスナックなどのテイクアウトなどの用途で用いられます。耐水加工がされており、使い捨てでき衛生的なのが特徴です。

●紙トレー
イベントやお祭りの露店、テイクアウトなどで、食品の包装によく使われます。耐水性・耐油性に優れています。

紙製パッケージのメリット

紙製パッケージが注目されている理由は、主に環境への意識が社会的に高まっていることを背景として、環境に優しいことが挙げられます。その他にも、紙製パッケージには採用メリットが多くあります。

環境負荷が低い

紙は「生分解性」という性質を持っています。これは適切に処理すれば、自然界で微生物の働きによって分解され、数週間から数か月で自然に還る性質です。

一方、プラスチックは何十年、何百年経っても分解されず、分解されたとしてもマイクロプラスチックとなって滞留するため、正しく処理しないと生態系に悪影響を与えます。

プラスチック製パッケージを紙製パッケージに切り替え、プラスチック製のものをできるだけ作らない・使用しないようにすることは、持続的な資源の確保、環境保全につながります
また、環境への取り組みによる対外的なイメージの向上という効果も期待できます

森林認証紙などの紙を用いたパッケージや、食品に直接触れない二次包材・アルミやフィルムでコーティングする箇所は再生資源を利用することを検討しても良いでしょう。

再生生産が可能

紙の原料である木材は、プラスチックの原料である石油とは異なり再生可能な資源です。
近年では適切な森林管理のもとで生産された「FSC®認証紙」なども増加しており、積極的に採用することで森林資源の持続可能性への貢献にもつながります。

リサイクル率が高い

2022年、日本国内の紙・板紙合計の古紙利用率は66.3%、回収率は79.5%で、世界でもトップクラスにあります。リサイクル可能な紙製パッケージも、次の新しい紙製品へと循環して使用することができます

※出典:日本製紙協会「製紙産業の現状」

軽量化できる

紙製のパッケージは環境面以外でもメリットがあります。ひとつがその軽さ。
プラスチックよりも軽量なため、持ち運びしやすく、パッケージの形状によっては折りたたむことができるため、在庫の省スペース化も図れます。

また既に紙製パッケージを使用している場合でも、紙の厚みを薄くすることで紙の使用量を削減することができ、資源の節約、輸送時のCO2排出量削減にもつながります。

デザインの幅が広い

紙は硬質なプラスチックに比べて印刷や加工の自由度が高いため、さまざまなデザインが可能です。商品のイメージをより効果的に、柔軟に表現できます。

紙製パッケージのデメリット

前段では、環境保護の観点から使用量が増加傾向にある紙製パッケージのメリットを紹介しましたが、やはり材質の違いによるデメリットもいくつか存在します。

強度で劣る

紙はプラスチックと比べて強度が劣るため、紙箱や紙袋に重いものを入れると破れたり、衝撃に弱く内容物の保護が十分にできない点がデメリットです。長期的に保管するような内容物には、あまり向いていないかもしれません。

一方でダンボールは衝撃に強い構造であり、家電など大きく重い内容物にも対応できます。

水に弱い

紙は水に弱い種類が多く、水濡れすると破れたり、変形したりする可能性があります。また湿度の高い環境では使用が推奨されていない紙もあります。

近年ではパルプに他の原料を加えたり、後工程を追加することで耐水性を持たせた紙もリリースされており、今後も機能紙の活用シーンは広がる可能性を持っています。
ただし、このような機能紙は古紙としてリサイクルできない場合も多く、注意が必要です。

コストが高い

環境にやさしい反面、プラスチックよりも原材料のコストが高くなる傾向にある点には注意が必要です。

例えば紙製カップは、プラスチック製カップに比べてコストが約2倍高くなります。
これは、木材パルプを主原料とする紙が石油を主原料とするプラスチックと比べ高価なことや、強度や防水性を高めるために追加で行う製造工程がコスト増の要因となるからです。

紙であればすべてリサイクルできるわけではない

メリットでお話した通り、リサイクル率の高い紙ですが、リサイクルに適さない場合もあります

石鹸、化粧品、線香、香料などの強い臭いがしみついた紙や、食品の油汚れが付着している紙はリサイクルが難できません。臭いが他の製品に移ったり、汚れが残っているとリサイクル過程で他の紙を汚してしまう可能性があるためです。

紙箱の代表的なパッケージ形状10パターン

紙製パッケージのメリット・デメリットについてご紹介しました。

特に環境に配慮したイメージを持たせたい企業様やブランドにとって、紙製のパッケージは活用に値する価値を持っていると思います。

ひとくくりに紙製パッケージと言っても多様にある中で、特に利用シーンが多いのが、さまざまな形状・デザインで作成可能な「紙箱」。
皆様が暮らしの中でよく目にしている紙箱は、頻繁に用いられる形状がいくつか存在します。

ここでは、代表的な形状10パターンをご紹介します。
形状を検討する際は、商品をしっかりと保護することも重要ですが、向き・不向きやメリット、デメリットを十分に理解して、最適な形状を選択することも必要です。参考になれば幸いです。

1.サック箱(キャラメル箱)

キャラメル箱.png

紙器の中で最も代表的な形状で、箱の上下に差し込みの蓋がついたタイプです。
キャラメルを入れるパッケージから「キャラメル箱」とも呼ばれています。構造がシンプルなので、厚みを持たないレトルト食品やカード類の化粧箱としても用いられます。

2.地獄底(アメリカンロック式)

地獄底.png

箱の四方を組み合わせて、サック箱よりも底を抜けにくい形にした構造の箱です。ボトルのように上から立てて入れる内容物によく用いられます。
上から物を入れて使用する用途に適しています。
手組みの手間はありますが、底を糊で貼らないので保管スペースも取らず、さまざまな大きさの内容物に使用できます。

3.底貼り(ワンタッチ式)

底貼り.png

底の四方のうち2ケ所を貼り、起こすと自動的に底が組みあがる構造の箱。簡単に組み立てができるので利便性が良く人気の形状です。
地獄底と同じような用途で用いられます。ただし、箱のサイズが小さすぎると底の糊貼りができず、作成できない場合があります。

4.B式/N式

B式N式.png

蓋と身が一体になって抜かれた1シートタイプの箱です。組み立ての手間は少々かかるものの、貼り加工が無く抜き加工のみで済むため、箱自体のコストは比較的安価です。
密閉性・安定性が高く、組み立ても簡単。底がフラットで強度があり見た目も綺麗なので、コストを抑えたいギフトパッケージの用途でよく用いられます。

5.四隅貼り

四隅貼り.png

四隅を糊づけしたパッケージです。組み立てが簡単でコンパクトに保管できるメリットがあり、サンドイッチやたこ焼きのような食品のテイクアウト箱として人気の形状です。

6.ピローケース

ピローケース.png

ピロー=枕のような、曲面のやわらかいフォルムが特徴的なパッケージです。贈答品やプチギフトのパッケージによく使用されます。
コストパフォーマンスも良いですが、縦置きや重ね置きはできないため、スペースが必要となります。また、重量のある内容物には向いていません。

7.身蓋

身蓋.png

高級な商品や贈答用の商品によく使用される形状です。商品を入れる「身」と、身を覆う「蓋」の2パーツに分かれているため、組み立てには手間がかかります。
コストは高くなりますが、強度があり、商品をより上品に見せることができます。

8.スリーブ

スリーブケース.png

身箱にスライド式のスリーブを組み合わせた形状です。「身蓋」と同様に2パーツですが、紙の使用面積が少なく組み立てもしやすいため、高級感がありながら比較的低コストで作成できるパッケージです。

9.スタンド型

スタンド式.png

蓋を三角に折り込んだスタンド型パッケージです。お菓子やプチギフト、雑貨等に適した形状です。
上部が三角のため、積み重ねることはできません。

10.スタンド型(取手付)

スタンド式_motite.png

持ち運びがし易いように、箱の上部に取手が付いた形状です。別途袋を用意せず、そのまま持ち運ぶことができます。
瓶、缶などボトル形状の内容物に適した形状です。

紙製パッケージのこれから

紙製パッケージは、環境負荷が低いサステナブルな包装として、今後ますます注目されると予測される素材です。強度や防水性などの課題もありますが、技術開発や素材開発によって克服されつつあります。

また、サトウキビのようなパルプ以外の植物使った紙製パッケージも開発されており、紙製パッケージを選ぶことでメーカーも消費者も環境保護に貢献することができます。

完成イメージに近いサンプル作成が可能です

YPGでは金沢工場および東京潮見工場において、パッケージ形状を検討する設備が整っています。
ご来社いただければ、その場で試作を確認しながら、細かい部分までお打ち合わせすることが可能です。

またデジタル印刷機によって、より完成イメージに近いサンプル作成も可能です。

紙製パッケージ_試作用設備.png

紙パッケージに関するお困りごとは包装のプロへお任せください

YPGでは紙製パッケージ以外にも、ダンボールをはじめストレッチフィルムなどの各種包装資材・物流資材を取り扱っております。
包装に関する専門家「包装管理士」が6名在籍していますので、包装・包装資材に関するお困りごとに対して最適な解決策をご提案させていただきます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。


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