スチール撮影とは?販促に欠かせない撮影の種類やポイントを解説
新商品や新しい施設などのモノを紹介する場合、カタログやポスター、ホームページなどの販促ツールに欠かせない素材のひとつに、写真があります。
この写真を撮影することを「スチール撮影」と呼びます。
スマートフォンでも綺麗な写真が撮影できるようになった現在ですが、特に印刷物に使用するような写真やメインビジュアル写真は、一眼レフのような本格的な機材で撮影した方が、結果的により販促効果の高い仕上がりになるでしょう。
この記事では、販促に欠かせないスチール撮影の種類や、実施する際のポイントを詳しくご紹介します。
スチール撮影とは?
スチール撮影とは、動きのない静止画を撮影することを指します。
「スチール」の意味ですが、映画のシネマ、ムービーの対義語として、still(静止)から来ているとされる説と、映画やテレビの動画を撮影する横で、まるで盗むように撮影することから、steal(盗む)を語源とする説があります。
一方でドローン撮影やタイムラプスなど、動きのある撮影は一般的に「ムービー」と呼ばれています。
かつてはフィルムが主流だったカメラですが、デジタルカメラの普及やスマートフォンのカメラ性能の向上も相まって、デジタル化が急速に進み、現在ではフィルムから現像することはほとんどなくなってしまいました。
被写体によるスチール撮影の種類
スチール撮影と言っても、撮影する対象によってさまざまな種類があります。また、広告やポスター、出版物、ウェブサイトなど、様々な用途で活用されます。
商品撮影(物撮り)
商品撮影は、販売する商品そのものを撮影することを指します。主にスタジオに商品を運び込んで撮影する場合が多いでしょう。
商品のディティールを伝えたい撮影では、魅力を最大限に引き出すためにアングルの工夫やライティング・バック紙などの演出が効果的です。
一方、カタログやECサイトなどに掲載する商品説明用の撮影では、正確なライティングのもと特徴となる形状や色を正確に表現することが求められます。
例えば料理を撮影する際は、料理を美味しくみせたり、シズル感を意識した特に繊細なライティングが求められます。
広告撮影
広告撮影は、主にチラシや雑誌、ホームページ用に使うイメージ写真を撮影することを指します。
商品撮影とは異なり、広告撮影では商品の利用シーンやメリットが伝わるように、イメージ重視でスチール撮影を行います。また撮影場所も撮影用スタジオの他、屋外のロケ地やレンタルスタジオを用意したり、建て込みをする場合もあります。
例えばカーテンやテーブルのようなインテリアであれば、暮らしの一部としてリビングに溶け込んでいる様子、お菓子であれば、子供がおいしそうに頬張っている様子など、商品の使用イメージを喚起するような撮影シーンが挙げられます。
人物撮影
文字通り、人を撮影する人物撮影ですが、その中にはさらに、モデル撮影と肖像撮影(ポートレート)があります。
モデル撮影では、被写体の表情や雰囲気を印象的に撮影することが大切です。被写体を主役に据えるような構図や、被写体と背景のバランスを意識した構図にこだわることで、見る人の記憶に残る唯一無二の作品になるでしょう。
必要に応じてスタイリストやヘアメイクを手配することで、より美しくモデルを撮影することができます。
肖像撮影(ポートレイト)は、証明写真や家族写真のような写真を指します。
風景撮影
自然や街並みを撮影するのが風景撮影です。
自然の美しい一瞬を、ありのままにフレームで切り取った写真は、時として見る人に感動を与えることができます。また日本特有の四季や撮影時間を変えることで、時の流れを表現することも風景撮影の面白さでもあります。
撮影場所によるスチール撮影の種類
スチール撮影には、撮影場所で大きく分けると、スタジオ撮影とロケーション撮影の2種類があります。
スタジオ撮影
スタジオ撮影は、室内で行う撮影です。
照明機材を用いて、被写体を均一にライティングすることができます。また、バック紙と呼ばれる背景色や小道具を自由に用意できるため、さまざまなシーンを演出することができます。
特別な空間で商品のイメージカットを撮影する際は、セットを組み立てたり、小物類が揃ったレンタルスタジオなどを利用することもあります。
ロケーション撮影
ロケーション撮影は、屋外で行う撮影です。
自然光を用いて、被写体の自然な表情や雰囲気を捉えることができます。また、実際の風景を背景にすることで、よりリアルな印象を与えることができます。
スチール撮影時に気を付けておきたいこと
コストがかかる
プロのカメラマンに依頼すればクオリティの高い写真を撮影することができますが、人件費やスタジオ使用料、交通費等のコストがかかります。
また、基本的には1カット○円の計算になるので、ノープランで撮影して膨大なカット数になってしまうことは避けなくてはいけません。
あらかじめ撮影内容やおおよそのカット数、予算、撮影スケジュールをカメラマンと共有しておくことで、費用感の大きなズレは少なくなるでしょう。
ロケハンを実施する
ロケーション撮影では、撮影の前にロケハン(ロケーションハンティング)を行い、事前に現場を確認すると安心して当日を迎えられるでしょう。
ロケハンを実施することで、当日の動きを想定して撮影する時間帯の太陽の位置や必要な機材の事前確認もできます。
撮影場所によってはアシスタントスタッフが必要であったり、事前に撮影許可が必要な場所、周囲への配慮が必要な場合もあります。
撮影当日に想定していない事態が起きないように、ロケハンは可能な限り実施することをおすすめします。
撮影後の後工程について
デジタルカメラが主流になったことで撮影のカット数が多くなり、後から選定することが困難になることもよくある話です。そして撮影後にも多くの作業があることを忘れてはいけません。
画像の明るさを変えたり、写り込み(電線や一般の通行人など)を削除したり、天候を青空に変えたりといった画像加工(レタッチ)は、大小あれど多くの画像で必要になります。
後工程の画像加工が増えると時間もコストも発生するため、カット数を多くすればよいとは限りません。
モデルを起用する場合は利用条件やコストに注意
モデルを使用する際は、モデルが所属する事務所と版権について利用範囲と費用を確認することが必須です。
特に写真を二次利用する際は、Webサイトや印刷物の発行部数など、媒体により費用が異なるケースが多いため、事前に確認することをお勧めします。
また撮影時には、ヘアメイクやスタイリスト衣装や小物レンタル、買取といったコストが別途必要になるケースもあります。
スチール撮影を含む各種販促ツールはお任せください
当社でも印刷物に使用する撮影の立ち合いをすることは多くありますが、立会いすることで、新商品の魅力や特徴を理解することができ、正しい情報を伝える助けになるなどメリットが多くあります。
スマートフォンを利用すれば手軽に撮影や加工ができますが、商品のブランドイメージやコンセプトを効果的に伝えるクオリティの高いスチール撮影は、プロカメラマンに依頼することをおすすめします。
当社は100年以上の歴史を持つ老舗印刷会社として、多くのプロカメラマンとつながりがあります。
また、各種販促物の企画・デザイン段階から携わらせていただくことで、撮影・編集・印刷を含め、トータルで対応致します。質の高いスチール撮影や広告媒体をご検討の方はぜひ一度、お気軽にご相談ください。