デジタルアーカイブとは?倉庫に眠る資料を情報資産として活用しませんか?
デジタルアーカイブとは?
「デジタルアーカイブ」という言葉は、古文書や公文書、記録文書、もしくはそのような文書を保管する場所を示す「アーカイブ」という言葉に「デジタル」を組み合わせた和製英語です。
デジタルアーカイブは、古文書や公文書だけに限らず、出版物、有形・無形の文化財、その他歴史資料など、あらゆる知的資産をデジタルコンテンツとして記録・管理し、インターネットを通じて広く公開する仕組みを指します。
日本でもインターネットの発展とともに徐々に浸透していきましたが、東日本大震災以降、貴重な資料や文書を災害から守るために、デジタルアーカイブ化が一気に進められました。
デジタルアーカイブのメリット
デジタルアーカイブは「ただ単純に資料をデータ化したもの」では意味がありません。文書を次々とデータ化しても、使えないデータがどんどん蓄積されていくだけになってしまいます。
デジタルアーカイブにする最大のメリットは、貴重な資料を守るとともに、生きたデータとして活用できるようになることです。
貴重な資料を劣化から守り保管できる
現在のようなデジタル社会になる前、貴重な資料の多くは紙により保管されてきました。
紙は時間の経過や保管環境により劣化・損傷・消失する可能性がありますが、一度デジタル化してしまえばデータ化した状態から劣化することはありません。また、現物の資料を持ち出す必要もなくなります。この点がデジタルアーカイブの最大のメリットといえます。
資料が整理され、検索性が向上する
大量の資料もデジタルアーカイブによってデータベースを構築することで、検索性が格段にあがります。
データベース構築により、日付やカテゴリ、画像検索など様々な角度から検索することが可能になります。
またデジタルアーカイブによってペーパーレス化を進めることで、情報をコンパクトに保管できるため、保管場所の省スペース化にも繋がります。
ひとつの資料を多くのユーザーと共有できる
アーカイブされた資料は、オンライン上や社内の共有スペースで公開すれば、多くのユーザーがカンタンに情報にアクセスすることができます。現物の資料はひとつしかなくても、デジタル化することで資料活用の幅が大きく広がります。
データ化した資料の編集・加工が可能になる
データ化したデジタルデータは、加工や複製など自由に編集することが可能になります。資料に解説を付けて補完したり、紙に印刷するなど、用途に合わせて最適な方法で活用することができます。
BCP(事業継続計画)対策として
BCP(Business Continuity Planningの略:事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合に、損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続・早期復旧を可能とするための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
近年頻発している自然災害に対しても、資料がデジタルアーカイブされていれば、災害による資料の紛失や水没によって、業務に支障をきたすリスクは低減されるはずです。
デジタルアーカイブはデータのバックアップという点でもメリットがあると言えるでしょう。
デジタルアーカイブの進め方
資料のデジタルアーカイブ化を進めるためには、アーカイブ化する目的を定めた上で、デジタル化する資料の範囲や活用のための環境づくりを行う必要があります。
現物資料のデータ化に加え、デジタル化された大量のデータを有効に活用していくために、ファイル管理サービスの活用や検索性を備えたシステムを構築することが推奨されます。
手順ごとに、実施する内容や注意点を詳しくご紹介していきます。
1.データ化と検索システムの企画立案
デジタルアーカイブの作成を検討するときには、前章で述べたような明確な目的や解決したい課題があるはずです。
「万が一の災害等のために、まずはデータ化されていれば良い」
「資料内の品名・品番や日付などの文字まで検索できるようにしたい」
「データを組織外に向けて鍵付きで限定公開したい」
などといったご要望に応じて、PDF・画像・映像などその目的に沿ったデータ形式や保管場所、検索システムの選定・構築が必要となります。
また予算とボリュームを考慮して、場合によっては数回に分けてデータ化するなど、スケジュールを立てることが大切です。
2.資料の整理・確認
アーカイブ化の方針が決定したら、保管されている資料を整理・確認し、作成するデータ形式やサイズを含めどのようにアーカイブ化していくかを検討します。
実際のデータ化作業に向けて、以下のような内容を細かく確認します。
●原稿の状態...ファイリング・製本・ホッチキスの有無、原稿サイズなど
●原稿の扱い方...本の背表紙をカットして良いか、ホッチキスは外して良いかなど
●作業場所...社外への持ち出し作業は可能か、作業時のセキュリティなど
データ化作業に関係する細かい内容をヒアリングすることとなりますが、正確な作業スケジュールやお見積りを算出するために必要な内容です。はじめにしっかりと取り決めしておくことをおすすめします。
3.資料のデジタル化
原稿をスキャニングしてデジタル化を行います。
テキストを検索・引用して活用する場合には、OCR(Optical Character Recognition/Reader:光学文字認識機能)によってテキスト情報を付与します。
また、資料の状態によっては必要に応じて画像補正を行うこともあります。
4.閲覧環境へのデータ格納
デジタル化されたデータを有効活用するため、データ管理システムやアーカイブシステムにデータを格納します。
企画立案の際に決定したデータの活用方針に基づいて、社内のデータストレージや既存のファイル管理サービスでこと足りる場合もあれば、独自のアーカイブシステム構築が必要となる場合もあります。
5.公開
Webサイトや社内の共有スペース、アーカイブシステムなどを通じて情報資産として公開します。
デジタルアーカイブの活用事例
続いて、デジタルアーカイブの代表的な活用事例をご紹介します。
【Case.1】過去の文書や資料のデジタル化
紙媒体のみで残っている過去の文献やプリント写真等を、データ化して二次活用。現代の高い補正・加工技術を活用すれば、色褪せてしまった文献や写真も美しく蘇らせることができます。
【企業】【学校】創業・創立以降の写真
【大学】過去の入試問題集・講義要綱
【メーカー】デジタル移行前の図面
【Case.2】膨大な資料のデジタル化
経理や人事資料など、法律で保存義務のある膨大な資料も、高速スキャンにより電子化することで省スペース化が叶います。テキスト情報を付加して検索対応することも可能です。
【企業】経理・人事の保管書類
【自治体】帳簿、決裁文書
【Case.3】希少価値の高い書物のデジタル化
希少価値が高い書物では、精度の高いスキャニングや、校正を含む正確なテキスト付与も対応可能です。デジタル化することで貴重な書物を取り出さずに済み、研究への活用を促進するメリットもあります。
【寺社仏閣】古文書
【自治体】地域文献資料、伝承記録
企業ブランディングとデジタルアーカイブ
近年ではクラウド型のデータベースが増え、サーバーにかかるコストがより安価になったことから、デジタルアーカイブは一般企業にも広がりを見せています。
過去の商品そのものや、企画資料、販売促進用の広報物、写真資料や図面など、企業の歴史をビジネスに利用しようと「企業アーカイブ」が増えています。
企業の歴史をたどることのできる資料をデジタルアーカイブの形で公開することで、その企業が芯の通った経営理念のもと長い歴史を歩んできたPRになり、企業に対する信頼感を高めることができます。
また社員も自社の歴史に触れる機会が増え、インナーブランディングにもつながります。
大切な情報資産も安心の環境でアーカイブ化いたします
様々な情報をデジタルアーカイブすることは、情報資産を蓄えることにつながり、膨大な資料や重要文献を次世代に伝える意味でも大きな役割を果たすことができます。
YPGでは、印刷事業で培った情報伝達のノウハウを駆使してさまざまなアーカイブ化のお手伝いをしています。
情報セキュリティマネジメントシステムISO27001を取得しており、機密情報や重要文書の取り扱いも安心してお任せいただくことができます。
社内文書のデータ化活用をご検討の際には、ぜひお気軽にご相談ください。
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