【脱プラ】紙製クリアファイルの魅力と選び方ガイド
皆様が「クリアファイル」と聞いて真っ先にイメージするのは、プラスチック製のファイルかと思います。
しかし近年、マイクロプラスチック問題やプラスチックゴミによる海洋汚染の問題が大きく取り上げられ、「脱プラスチック」などの環境に対する配慮が国際的なスタンダードになってきたことを背景に、紙でできたファイルが注目を集めています。
日本国内においても、大手生命保険会社がプラスチックの使用量削減のために、クリアファイルをプラスチック製から紙製に順次切り替え、2024年以降は新規購入するクリアファイルをすべて紙製にすると目標設定し、メディアで取り上げられました。
紙製クリアファイルは、プラスチック製品に代わるエコフレンドリーなアイテムを探している方や、企業活動でSDGsに貢献したいと考えている方には特におすすめです。しかし「本当に使いやすいのか」「耐久性はどうなのか」と疑問を抱くこともあるでしょう。
本記事では、その基本的な特徴からメリット・デメリットまで詳しく解説します。ぜひ、最後までお付き合いください。
紙製クリアファイルとは?
紙製ファイルとは、字の通り紙で作られたファイルです。プラスチック製のファイルに比べて、環境にやさしく、リサイクルしやすいのが特徴です。
クリアファイルは普段使いしやすくノベルティやオリジナルグッズとしても人気ですが、素材を紙に置き換えることで脱プラスチックに貢献できるアイテムに変わります。SDGsの目標達成にも貢献するアイテムとして、エコ意識の高い企業や個人に選ばれています。
紙製クリアファイルが注目される背景
環境問題は年々深刻化してきており、その中でも生態系の一部でもある私たち人間の健康にも影響する「海洋プラスチック問題」は、身近な脅威です。痛ましい海洋生物たちの姿をニュースで目撃することも多い昨今、個人にも企業にも、環境を保護するためのさらなる取り組みが求められています。すでにCSR活動やSDGsに取り組んでいる企業でも、年々深刻化する環境問題に対して活動内容を柔軟にアップデートする必要があります。
そんな中、手軽に始められる脱プラスチックの取り組み、企業のエコフレンドリーな姿勢を示す販促アイテムとして、企業オリジナルの紙製のファイルが注目されています。
ポリプロピレン(PP)製との違いは何か?
紙製クリアファイルとプラスチック製の違いは、ズバリ素材の特性と環境への影響にあります。従来のクリアファイルの多くはポリプロピレン(PP)製であり、耐久性や防水性に優れていますが、廃棄処理には時間を要し、環境負荷が懸念されます。
紙製クリアファイルは、耐久性や耐水性の面では劣りますが、手軽にリサイクル可能で資源を有効活用できる点で、より環境に配慮した製品であると言えます。もし海に流れてしまったとしても、PP製とは異なり生分解性があるため、いつまでも海を漂うということはありません。
また耐久性・耐水性を持つ紙を素材として選択することで、弱点を補うことも可能です。
紙製クリアファイルのメリット・デメリットを徹底解説
このセクションでは、紙製クリアファイルのメリットとデメリットを詳しく解説します。選ばれる理由やSDGs達成への寄与について触れつつ、一方で日常使いにおける実用面での課題にも言及します。
メリット
環境に優しい
紙を原料としているので脱プラスチックで、海洋プラスチックをはじめとした環境問題に対して配慮し、持続可能な社会に貢献します。CO2削減を謳いながら従来のPP製クリアファイルを配布している企業よりも、紙製クリアファイルを配布している企業の方が、実質的な取り組みをしていることが対外的にも伝わるでしょう。
リサイクルしやすい
紙資源としてリサイクル可能で、限りある資源を有効活用できます。
また、分別不要で中身を入れたまま廃棄できます。
廃棄レス
オンデマンド印刷で、最小10枚から必要な部数のみの作成も可能です。無駄なく作成できるので廃棄レスに貢献。
可変印字やオリジナル印刷も可能です。
透けないから情報保護
透明なクリアファイルとは異なり、中身が透けないので情報保護に役立ちます。
機密文書は、書類を挟んだままシュレッダーに入れてもOK。
中身を見せたい場合は、トレーシングペーパーのような半透明の素材を使用したり、窓抜き加工での対応も可能です。
書き込みできる
紙ならではの特長として、鉛筆やペンなどで宛名やタイトル、メモが直接書き込める点が挙げられます。
職場のレーザープリンターで宛名部分を後から印字することも可能です。
※プリンターの機種によっては紙詰まりやシワ、もしくは対応不可の場合があります。事前のサンプルテストをお勧めします。
デメリット
耐久性・耐水性に劣る
紙製品なので、どうしてもプラスチック製のクリアファイルと比較すると耐久性・耐水性で劣ってしまいます。中身を頻繁に入れ替えたり、形が変化するくらい多い枚数を挟む用途には不向きです。また紙が原材料のため水に濡れてしまうとファイル自体がよれてしまいます。中身も破損する恐れがあるため、水濡れの可能性がある環境での使用も避けるべきです。
しかし、お客様への書類のお渡しや、デスクでの資料整理などの用途であれば十分にお使いいただけます。
耐久性を高めたい場合は、破れにくく水に強い材質(ストーンペーパーやユポ紙)でつくることで、デメリットを回避することができます。
PP製よりも価格が高い
紙製のクリアファイルはプラスチック製に比べて、まだまだ普及率が高い製品ではないため、コストだけを比較すると割高になってしまう傾向があります。
ただし、企業として脱プラスチックに貢献できる側面もあるため、単なる備品購入のみならず、環境への取り組みを伝える販促費用として検討されてはいかがでしょうか?
紙製クリアファイルの利用シーン
紙製クリアファイルはその特性から、対外的な用途で使用される場合が多くあります。ここでは具体的な用途をご紹介します。
イベント・販促用ノベルティとして
展示会や各種説明会、オープンキャンパスなどで資料配布時に広告媒体としても使用できます。
もともと日常使いしやすいノベルティとして人気の高いクリアファイルですが、紙製に切り替えることで企業としてSDGsの取り組みを伝えることができ、取引先や学生にエコフレンドリーな企業姿勢を印象付けることにつながります。あたたかみがある紙素材で、手渡したときに優しい印象を与えるでしょう。
営業用の資料ファイルとして
紙製のファイルは、まだまだ馴染みが薄く目新しいアイテム。顧客へ提出する際の見積書や企画書など、営業資料のフォルダーとして使用すれば、見た目で紙と分かるので話題にもなりやすく、さりげなく環境配慮のPRが可能です。
また、お渡しする方のお名前を直接書き込んだり、一言添えることができる特徴を利用すれば、例えば新規開拓時により印象に残りやすくなります。
プラスチック製ファイルの代用として
従来使用しているプラスチック製のクリアファイルを紙製に切り替えるだけで、脱プラスチックに貢献。手軽にはじめることができ、環境に対する意識の啓蒙にもつながります。
オリジナル製作する場合のポイント
紙製クリアファイルも通常のクリアファイルと同様、オリジナル製作が可能です。用途に応じてサイズや材質、印刷方法を選択しましょう。ここでは、紙製クリアファイルをオリジナル製作する際に意識すべきポイントご紹介します。
用途に応じたサイズを選択しよう
紙製クリアファイルもPP製ファイルと同様、さまざまなサイズ展開が可能です。A4サイズは一般的な書類整理に最適で、多くのオフィスや学校で採用されています。一方、小型のA5サイズや細長いチケットホルダータイプは持ち運びしやすく、個人向けのノベルティとしておすすめです。
目的に応じて素材を選ぼう
紙製クリアファイルには、さまざまな種類のものが展開されていますので、特性を理解して使い分けるとよいでしょう。当社調べではありますが、比較表を下記にまとめてみました。
材質 | 環境対応 | 透け感 | プリンター 対応 | 書込み | 耐久性 | 圧着方法 | コスト | ロット | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
紙 | 〇 | ✕ | ✕ | ◎ | △ | エコプレス | 〇 | 10枚~ | FSC認証紙が 使用可能 |
パプティック-FS トリンガ |
〇 | ✕ | ✕ | 〇 | 〇 | 縫製 | △ | 500枚~ | FSC認証紙 |
ストーンペーパー | 〇 | ✕ | ✕ | 〇 | 〇 | プレス | ✕ | 100枚~ | |
ユポ | 〇 | ✕ | ✕ | 〇 | 〇 | プレス | △ | 500枚~ | バイオマスインキが 使用可能 |
半透明用紙 (両面/片面) |
〇 | △ | 〇 | ◎ | △ | 糊 | ◎ | 500枚~ | 半透明両面500枚~ /片面100枚~ |
【おすすめ】紙(上質/コート/アート)
最も多く採用されているのが、通常の紙でできたファイルです。通常のコピー用紙と同等の上質紙、光沢のあるコート紙、上質紙より高級感のある光沢なしのアート紙などで製作でき、10枚~大部数までご要望に応じた柔軟なロット対応が可能です。また、適切に管理された森林からつくられたパルプでできた「FSC認証紙」を使用することも可能です。
◇FSC認証紙については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【新素材】パプティック-FS トリンガ
フィンランドの針葉樹からつくられたパルプを使用して作られた、不織布のような紙「パプティック-FS トリンガ」でできたファイルは、しっとりとした特有の手触りとミシン糸仕上げが他にない特徴的な仕上がりです。柔らかい材質なのでA5サイズ用やチケットホルダー用など小さめのサイズで、エンドユーザー向けのノベルティ・販売品におすすめです。
弊社紙ものブランド「吉田次作商店」でも、本素材でできたオリジナルの紙製ファイルを販売しています。詳細はこちら。
ストーンペーパー
ストーンペーパーは原料に木材チップやケナフなどを一切使用せず、石から抽出した無機鉱物粉末から作られた紙です。貴重な森林を伐採する必要がない点で、環境にやさしい紙として近年普及してきました。通常の紙と異なり耐水性・耐久性がありながら、書きやすいのが特徴です。ただし、珍しい素材ということもありコストは高くなります。
ユポ
ユポは、従来のクリアファイルの素材でもあるポリプロピレンと、天然鉱物「無機充填材」から作られるフィルム法合成紙です。ストーンペーパーと同様に、撥水性が高く破れにくい特性があります。一方「紙」と称されるとおり、見た目は紙によく似ています。綿、パルプ、米ぬか、植物油、被子植物の種などの生物由来の資源(バイオマス)から作られた「バイオマスインキ」で印刷可能です。
半透明用紙(両面/片面)
通常のクリアファイルのように中身が見えるようにしたい場合は、トレーシングペーパーという半透明の紙や、透かし加工を施した紙もお選びいただけます。完全にクリアには見えませんが、中身を判別することが可能な透け感です。
魅力的なデザインをつくろう
サイズと素材を選定した後は、デザインを決定します。用途に応じて最適なデザインはさまざまかと思いますが、あえて紙製のファイルを選ぶからには、エコマークや環境配慮のメッセージを取り入れ明確に企業の姿勢を示すことで、お渡しする相手によりメッセージが伝わりやすくなるでしょう。
ブランドイメージを強化しつつ、顧客とのコミュニケーションツールとしても活用できる点も紙製クリアファイルの魅力のひとつです。
環境に配慮した印刷物・ノベルティはぜひ当社へ
YPGでは、今回紹介した紙製クリアファイルに限らず、環境に配慮した製品・サービスを多く取り揃えています。
また、環境に配慮した印刷工場の認証であるGP認証をはじめ、FSC認証紙の取り扱いなど、社会に「持続可能な印刷物」の提供を通じて、環境配慮への取り組みを進めています。
紙製クリアファイルおよび環境配慮型印刷・サービスにご興味がございましたら、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
◆紙製ファイル特設サイトはこちら